小山田大のクライミング日記
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ついに!

何度も落とされた核心の振られが止まった。

右足を細かいエッジに、捉え切れず外れるが異常な程落ち着いている。

180度回転し両足をリップにフック。

もう半回転し、真っ暗で何も見えないテラスに這い上がった。

今回の九州ツアーは大谷にあるスープロこと「スーパープロジェクト」の完成を最大の目標にやって来た。

このプロジェクトはおよそ三年前、比叡山の新しいエリアに凄いルーフがあるとの情報を聞きつけ、ジンさんに案内してもらったのが最初の出会いだった。

とにかく衝撃的だった。

花崗岩でこのスケール、しかもホールドが続いている。

アクセスも最高で凄いプロジェクトに出会ってしまったと感動した。

まさにスーパープロジェクトだった。

しかし、いざトライしてみるとあまりの難しさに自分が登れるという確証を持つ事が出来ず、他にも素晴らしい未登の岩が沢山ある事もあってなかなか集中して登る事がなかった。

岩のコンディションにも悩まされた。

ルーフだがクラックを主体に構成されている為、雨が降ると時間差で染み出して来る。

何度トライしに行きフラれた事か。

それでも体調の良い日はムーブの練習と解明に出掛け、多くの時間をこのルーフに費やした。

そして去年のツアーでは短期間だが集中してトライし、中間部にあるレストポイントを起点に前半と後半に分けて登る事が出来た。

その後、アマテラスや他の主だったいくつかのプロジェクトを完成させ、精神的にも肉体的にもこのプロジェクトへ追い込んでいった。

自分の年齢的にもうあまり後がないかもしれない。

今年こそはこのプロジェクトにケリをつけたい。

そういう想いでの今ツアーだった。

昨日は朝から晴天で気温も高く、一昨日の雨のしみ出しが所々あったがなんとか乾いた。

それでも完全には乾かず、どうしてもしみ出す部分にはティッシュを詰めて対処し、トライ開始。

少し時間が空いたのと暑過ぎたからか核心のムーブが出来なくなっていてかなり焦った。

日中はムーブのおさらいに集中しようと割り切り、夕方まで待った。

夕方になると急に気温が下がり始め、コンディションが良くなってきた。

そして最初のトライ。

意外に上手く繋がって核心の振られで落ちた。

続く二回目、出だしから好調で核心に突入。

初めて振られを止めるも、右足の細かいエッジを捉え切れず落ちてしまった。

この時点で完登が近い事を確信、もっと気温が下がるのを待った。

暗くなってランタンをつけて三回目。

前半のパートで失敗。

レスト後の四回目。

若干の疲れを感じつつ繋げていくも核心に入る手前で落ちてしまった。

このトライで集中力が切れたように感じた。

体力的にもかなり消耗しているのを感じた。

明日から雨だしせっかく訪れたチャンスを逃してしまったのだと思った。

二回目のトライが思い出され、どうしてあの時こらえなかったのだろうと後悔した。

しかし、時間と共に気温は下がり続け状態はかなり良くなっている。

ダメでもトレーニングになるし明日から雨だし、もう一回やってみるかと考えたら急に気が楽になった。

とりあえずしばらくレスト。

いつもはあまり食べないのだが無理くり食べるとなんとなく元気になった気がした。

そしてこの日五回目のトライ。

足がデリケートなスタート付近を素早くこなしレストポイントへ。

レストポイントとは言え、短時間しかいれないので左右の手をワンシェイクずつ振った後後半に突入。

ここまでノーミス。

ここから急にムーブが悪くなってくる。

処理の難しい縦ホールドをトリッキーな足で処理し、その後足ブラが三手。


この後の三手が核心。

まず一手目のジャミングの左手は上手く持てた。

 

甘いポケットのアンダーを中継しかかりの良い右手、そして核心の振られ。

止まった! 二回目のトライで置けなかった足はまたも外すが落ち着いて乗せ直せた。

真っ暗なテラスの上で荒い息のままへたり込み、ついに登れたのだとはっきり認識するまでしばらくそうしていた。

岩の頂上まではまだスラブを5m程登らなければいけない。

ヘッドランプを上げてもらい恐ろしい、けれども幸福感に満たされた僅かな登りを楽しみ、大谷の岩の頂上に立った。

こうして生涯最難のクライミングは終了した。
 

これが登れるまでは、もし登れてしまったら燃え尽きてしまうのではないかと考えた事もあったが、そんな事は全然なくてすぐに次のプロジェクトの事が頭に浮かんだ。

それもいくつも。

結局、このプロジェクトも通過点の一つに過ぎなかったんではないかと考えられる自分はまだ若いのか。

はは。

そしてこのプロジェクトをトライするにあたり、岩の上の積もりに積もった土の除去、苔落としからクラックに詰まった泥落とし、その膨大な作業に尽力して下さったトミーさん、そして陣内さんに心から感謝します。



グレードとか生臭い話はまた後日。

課題名はまだ決まらず。。

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