小山田大のクライミング日記
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僕のクライミング史上最も悲しく残念な事が起きた。
今まで数え切れない程初登してきたが、その中で最も難しいと感じた課題「那由多」が破壊されてしまった。
事故では無く故意にホールドを破壊され、オリジナルの課題は永遠に消滅してしまった。
費やした時間をエネルギーを、情熱を封じ込めた筈の課題が無くなってしまった。

僕にとって、岩にライン見出し初登して課題を設定するという事は単純に岩を登るという行為以上のものだ。
音楽家が自分の曲を作るように、画家が絵を描くように、職人が物を作るように、そういう行為と似ている。
もっと言えば子供のいない自分にとって初登した課題達は自分の子供、分身のようなものであり、自分がこの世にいた証のような存在でもある。
その多くの課題の中には駄作もあり、逆にいつまでも心に残り、初登までの苦労や喜びをいつでも容易く思い起こせるものもある。

「那由多」はどうだっただろうか。
僕にとっては間違いなく難しく、情熱を捧げた課題だった。
自分の年齢的にもこれがこの難易度を登れる最後のチャンスだと思っていたし、そのタイミングで奇跡的に現れた岩であり、ラインだった。
登れるまで本当に登れるのかどうか全く先の見えない中トライを続けた課題だった。
岩質的にも日本では珍しく安定していて、後世に残る課題に思えた。

壊されてからは気を抜くと初登するまでの日々を思い出してしまい、鬱々としてしまう。
破壊した犯人を見つけたとしても法で裁けるはずも無く、そして壊された課題も戻ってこない。
正直、気持ちの有り様が今は良く解らない。


沢山考えたが一つだけ言えるのは自分はもう少しの間頑張れるかもしれないという事だ。
もう色々と身体にガタは来ているがとりあえず健康で登る事は出来る。
那由多を登った時にも書いたが、日本にだってまだまだ見知らぬ岩はある筈だ。
もうあれ以上の難易度は無理かもしれないが、諦めずに鍛錬を続けていけば力を落とさず近付く事は出来るかもしれない。

今までやってきた様に新しい岩とラインを常に求め、粛々と登る。
そうして前に進みたいと思う。















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| - | 2018/06/29 3:24 PM |
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